ゴルフ会員権の譲渡損の損益通算について

最近はもっている人も少なくなったゴルフ会員権ですが、これを譲渡した時の課税関係が平成26年4月1日以降大きく変更されています。

従来であればゴルフ会員権を譲渡した際に発生した損失は、ほかの所得、例えば給与所得や事業所得と損益通算することができました。

すなわち、損した分を他の所得から差し引くことで節税につながっていました。

ただし、改正により平成26年4月1日以降に譲渡したゴルフ会員権については
損益通算をすることができなくなりました。

これは所得税法施行令178条の改正(平成26年改正)によるものです。

当該条文によると、
「生活に通常必要でない資産に係る所得の金額の計算上生じた損失は損益通算できない」とされているのですが、改正前の1項2号の条文によると「生活に通常必要でない資産」は、「通常自己及び自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で所有するものその他主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産」とされていたため、ゴルフ会員権のような「動産」が対象になっていませんでした。

これについて問題視され、現在は条文が「不動産」ではなく「資産」とされました。

この結果、ゴルフ会員権についても「生活に通常必要でない資産」に含まれることとなり
損益通算することができなくなりました。

少し前の改正ではありますが、認識されていない方も多いかと思いますので、
間違えないようにご留意ください。