借入金の利子の処理方法(固定資産取得に係るもの)

個人事業主が固定資産を取得する際に、金融機関等から借入をすることがあると思いますが、
その際に発生した支払利息の処理方法について説明したいと思います。

処理方法としては、必要経費とするか、固定資産の取得価額にするか、二つが考えられますが、節税を考える上ではできるだけ必要経費にしたいところです。

ここで、現に業務を営んでいる者が当該業務の用に供する資産を取得するために借り入れた資金の利子は必要経費として処理して問題ありません(通達37-27)。

実際に業務に使用する前に支払った利息であっても必要経費とすることができます(所通達37-27注)。

一方で、まだ業務を始めていない者が取得した業務用資産の借入金の利子は、
当該資産の取得価額に算入する必要があります。

業務を開始していないのであれば、必要経費に計上することはできません。

また、業務を営んでいたとしても、当該業務の用に供しない資産を取得したのであれば、
その借入金の利子は取得価額に加算します。

これは、将来業務の用に供する予定であったとしても、取得時点で業務用でなければいけません。その後、実際に業務に使用開始すればその後の利子は必要経費とできます。

まとめると

○業務用資産
・業務開始前の利子→取得価額
・業務開始後で使用前の利子→必要経費と取得価額の選択(所通達37-27)
・業務開始後で使用後の利子→必要経費

○業務用以外の資産
→取得価額に算入(所通達38-8)

非常にややこしくなっているため注意が必要です。