所有権移転外ファイナンスリースと課税仕入の関係について

固定資産投資を行う際、資金繰りによってはリース取引を検討されることがあるかと思います。このリース取引は、会計処理上、以下の3種類に区分されます。

① 所有権移転ファイナンスリース
② 所有権移転外ファイナンスリース
③ オペレーティングリース

どの区分に該当するかは非常に難しい論点ですので今回は説明しませんが、②に該当する場合、会計処理が二通り考えられます。

一つは売買処理、もう一つは賃貸借処理です。
※①は売買処理、③は賃貸借処理しかありません

売買処理とは、名前の通り、リース資産を購入したのと同じように資産計上をして減価償却していく方法です。なお、減価償却はリース期間に渡って定額で計算します。

この場合は消費税も当然、資産引き渡し時にリース料総額を一括して課税仕入に計上します。

例:簡単に説明すると、年間100万円×10年のリース契約であれば、固定資産として1,000万円計上して、10年で減価償却していきます。課税仕入も引き渡しを受けた期に1,000万円計上します。

一方賃貸借処理とは、リース資産を資産計上せず、毎月のリース料のみを費用として計上していく方法です。

上記と同じ例だと、リース料100万円を10年間に渡って経費計上します。

ここで消費税をどうするのかという論点が生じますが、原則は売買処理と同様に引き渡しを受けた期に一括で課税仕入に計上することになりますが、例外処理として、1年間のリース料の合計を毎期の課税仕入にすることができます。

上記の例だと、毎期のリース料100万円を課税仕入として10年間に渡って計上することができます。
※仕入税額控除の計算においては、引き渡しをした時の税率を適用し続けます。よって税率変更があったとしても毎期古い税率で計算し続けなければなりません。

なお、会計上及び税法上において、原則は売買処理とされています。一方で、会計上における例外処理として、個人事業主中小企業者300万以下の資産リース期間が1年以内のものなどは、賃貸借処理を行うことができることとされています。

リース資産の経理処理は少しややこしいのでご注意ください。

参考:

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/16/22.htm

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/16/23.htm