消費税において基準期間の売上が5,000万円以下であれば、
簡易課税制度を利用することができます。
簡易課税制度においては、自社の事業区分に応じたみなし仕入率を売上に乗じることで、
消費税額を決定することになります。
つまり、自社の事業区分がどれに該当するかが重要になるわけです。
※事業区分は下記国税庁HP参照
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6509.htm
ここで一つ、間違えやすいものとして製造業が挙げられます。
通常製造業は第3種事業としてみなし仕入率は70%です。
ただし、「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業」
については第4種事業とされます。
よってみなし仕入率は60%となります。
ここで、当該事業がどのようなものか基本通達によると、
「製造業等に該当することとなる事業に係るもののうち、対価たる料金の名称のいかんを問わず、他の者の原料若しくは材料又は製品等に加工等を施して、当該加工等の対価を受領する役務の提供又はこれに類する役務の提供をいう。」
すなわち、他の者から原料の支給を受けてそれを加工した上で他の者へ加工品を返す。そして加工賃を収受するという事業ですね。
このような事業であれば通常は他の者から加工賃だけ収受して、材料仕入が発生しないことから(無償支給)、みなし仕入率を低くしているものと考えられます。
よってもし仮に加工業でも有償支給、つまり他の者から材料等を購入して加工したものを再度販売する形態であれば、自社で材料を購入して製造しているのとなんら変わりないため第3種事業に該当すると考えられます。
また、この事業区分の適用は、そもそも製造業に該当していることが前提です。
よってクリーニングや自動車修理業など、
加工業でもそもそもサービス業に該当するものは対象外です(第5種になります)。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/20/15.htm
みなし仕入率が変わると消費税額も大きく変わってくるため、
自社の事業区分がなににあたるのか、きちんと判断することが必要です。
事業区分判定フローチャート
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/20/02.htm