ストックオプションの確定申告(税制適格の場合)

前回の記事で税制非適格のストックオプションについて記載しました。

税制非適格の場合は権利行使時点で申告する必要がありましたが、
税制適格の場合は権利行使時点では申告は不要であり、

株式を売却した時点で株式等の譲渡所得として申告することになります。

〇申告の方法

売却価格-(権利行使価格+譲渡費用)=譲渡所得

つまり、通常の株式売却に係る申告と同様です。

ただし、税制適格ストックオプションで取得した株式は特定口座に入れることが出来ませんので、自分で申告する必要があります。

税額としては、上述の計算式で求めた金額に20%の税率を乗じた額の納付が必要です。

詳しくは国税庁HPにある株式の申告方法についてを参照ください。

〇税制適格の要件 措置法29の2①

以下に記載しますが、非常に複雑です。

1. 付与対象者の範囲 

次のいずれかに該当する者

・ストックオプションを発行する法人の取締役、執行役または使用人

・発行株式総数の50%超を直接または間接に保有する法人(子会社のこと)の取締役、執行役または使用人(およびその相続人)

2. 付与契約が満たすべき要件

・権利行使開始が権利付与決定日(株主総会決議日)から2年以内でないこと

・権利行使により取得する株式の年額が1200万円以下

・権利行使価額が契約締結時の時価以上

・権利行使に係る株式の譲渡または新株の発行が会社法上の決議事項に反していないこと

・権利行使で取得された株式が証券会社等に保管委託されること

・権利行使期間が付与決議から10年以内であること

・譲渡が制限できること

3. 権利行使時に誓約すべき事項

・権利者が権利付与日に当該株式会社の大口(上場の場合は1/10超、その他は1/3超)もしくはその特別関係者でないこと

4. 提出書類の記載事項

・権利行使の年における当該権利行使の他の権利行使の有無等を記載した書面の提出

具体的に税制適格に該当するか否かについては発行会社に聞くのがいいかと思います。