非上場株式の譲渡損失について(損益通算の廃止)

平成28年度の確定申告も近づいてきました。

今回は、確定申告において留意すべき事項の一つとして、非上場株式の譲渡損失の申告方法について説明します。

※特に以下の1.については今回の申告から変更されていますので注意が必要です。

1. 上場株式の譲渡利益との通算

非上場株式を売却した際に発生した譲渡損失について、従来であれば、他に保有している上場株式の譲渡利益と損益通算することが出来ましたが、平成25年の改正によって、平成28年1月以降はこの通算が出来なくなりました。ただし、非上場株式同士での損益通算は可能です。

2. 配当所得との通算

次に、非上場株式の譲渡損失は配当所得との通算ができるかというと、これもできません。非上場株式の配当は総合課税とされるためです。

3. 他の非上場株式の譲渡利益との通算

他に保有している非上場株式があり、そこから譲渡利益が出ている場合は、その譲渡利益との通算は可能です。

4. 譲渡損失の3年間の繰越

発生した譲渡損失は、上場株式であれば翌年以降3年間の繰越ができますが、非上場株式にこのような制度はありません。

結論

非上場株式の譲渡損失を申告すべきなのは、他に非上場株式から譲渡利益が発生している場合のみになります。それ以外の場合は申告しても意味がないことになりますのでご留意ください。