内職に支払う経費の課税関係について

個人事業をしていると、知り合いの主婦や友達に内職をお願いすることがあるかと思います。

通常の雇用契約として仕事をお願いするのであれば、給与として支払いをして源泉徴収をすればよいのですが、雇用契約ではなく外部委託契約(すなわち外注や内職者)に対して支払いする場合は、少しややこしくなるので注意が必要です。

具体的に説明すると、
①経費は給与ではなく外注費として計上する
②場合によっては「報酬」として源泉徴収が必要
③支払いを受けた人は原則として自分で申告が必要

↓さらに詳しく述べると

①支払った費用は外注費として計上することになるため、消費税の課税仕入となります。
よって支払う際に消費税込で支払う必要があります(給与は不課税)。

②下記に該当するような業務を依頼した場合は源泉徴収が必要となります。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2792.htm
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/aramashi2006/mokuji/05/01.htm
これらに該当する場合は報酬金額から所得税を源泉徴収し、支払った月の翌月の10日までに税務署に源泉徴収税額を納付する必要があります。

また給与の源泉徴収票と同じように、
年明け1月末までに支払調書を税務署に提出することになります。
なお、上記に該当しない支払いの場合は源泉徴収は必要ありません。

③支払いを受けた人は原則として自分で申告が必要→これが大きな違いです。

給与として支払うのであれば、源泉徴収をして年末調整を雇い主がするので、
基本的に従業員に確定申告は必要ありませんが、
外注費として支払う場合は支払いを受けた人が自分自身で確定申告をする必要があります。
※内職している人がどのように申告するかは、後日別の記事で記載します。

よって支払側としては、相手先に支払いを証明するものを交付する必要があります。

具体的には国税庁が定めている報酬の支払調書を利用するのが良いかと思います(必須ではありません。)。
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/annai/23100038.htm

もちろん領収書等の支払証憑は別途保管が必要です(経費の計上における証憑として)。
以上が留意点です。

内職として軽い気持ちで友達に頼んだのに、調査で色々突っ込まれたとなったら困りますし、
頼んだ先に迷惑をかけることもあるので、よく注意してお願いするようにしましょう。